宿泊型イベント@女川の様子(2019.06)
今回の舞台は、宮城県女川町。東京から車で約5時間の町です。
17卒〜20卒の15名のメンバーが参加しました。
過去SPIRITの開催地にもなったこの土地にたくさんの思い出がつまっている人も、東日本大震災をとその後の復興を思い浮かべる人もいたでしょう。
そのような背景のある町で今回向き合うお題は、「使命」。
女川駅で復興に奔走した現地のお二人のお話をきっかけに、使命とは何かを考え、今、この社会に、他でもない自分として生まれた意味を探っていきます。
〈1日目〉
あいにくのお天気の中、お昼過ぎに女川駅近くのフューチャーセンターCamasに集合し、チェックイン。久しぶりの人も、はじめましての人も交え、和やかな雰囲気の中でGRITがスタートしました。


【町歩き】
NPO法人アスヘノキボウの後藤大輝さん(以降たいきさん)に、女川町についてのお話をしていただき、復興の中心地であるシーパルピア女川や、女川駅の見学をしました。
女川駅で、20mほどの見晴らしのいい駅庁舎にのぼり、シーパルピアから海へと続く景色を眺め、きれい〜!と声を上げるメンバー。その横でたいきさんが、「あの日、この場所にも津波が来ました。みなさんの足下まで。」という一言に息を呑みます。


【復興の中心となった方々のお話】
町歩きで津波の脅威と女川駅の眼を見張るような復興ぶりを目にした後、その中心を担ったお方々のお話を聞きました。お話してくださったのは、
女川町町役場 産業振興課 公民連携室長 復興連絡協議会 事務局長
青山貴博さん
株式会社 高政 代表取締役社長
高橋 正樹さん
です。
商工会議所の屋上に取り残され、家族を想い、「子どもたちのために、私はこの町を復興しなければならない。」と思い至った青山さんの心からの言葉。
地元や業界では知らない人はいない老舗かまぼこ屋の店主としてのアイデンティティを強く抱き、雇用を守り、町の発展に寄与してきた高橋さんの強い言葉。
お二人のお話は、GRITメンバーの心に深く刻まれました。

【内省ワーク①】
今、この社会に生まれ育った私たちは、どのような使命を抱き生きていくのだろうか。この問いを深めるため、人生で印象に残った経験と、そこから見える自分自身の価値観を振り返りました。
そこにあるのは、評価、判断をしない、話し手とメンバーのための時間。社会人になったばかりの人、就職活動を終えて意思決定したばかりの人、仕事のモヤモヤに向き合い葛藤している人、新たなステージへ向かってい歩みを始める人。
一人ひとりの存在を受容しながら、違いを認めながら、各々のペースで振り返りました


【お寿司とビール】
半日たくさんのエネルギーを受け取ったらお腹はペコペコ!
待っているのは女川町のおいし〜いお魚を使った「おかせい」さんのお寿司と「ガル屋」さんのビール!
高橋さんや地元の方々を交え、歓談の時を過ごしました。
夜はアスヘノキボウのシェアハウスにお泊まり。明け方まで対話をし、眠い眼をこすりながら朝食会場に現れたメンバーも。


〈2日目〉
うって変わって晴天!おいしい朝ごはんを食べ、1日目とはまた違うモードでワークがスタートしました。
【内省ワーク②】
チェックイン。改めて、なぜ女川町という町まできたのか、今回の期待はなにか、今ある声を出しました。
その後、使命を言葉にする時間を過ごしました。
Camas前の芝生に座って、1日目に引き続き自分の価値観を振り返り、取り組んでいる仕事やプロジェクトを振り返り、最後にどんな社会に、どんな自分として働きかけるのかを考え、対話しました。
これだ!という使命に至った人、これなのかも?という使命を仮置きした人、様々でした。各々が自分らしい時間を過ごせていたら幸いです。


【観光&ランチ】
2日間を共にしたメンバーと、町の散策&ランチ!「おかせい」さんの女川丼に舌鼓。2日間の出来事を振り返ったり、日常との接続を考えたり、純粋に観光したり。2日間を過ごしたこの町が、来た時とは違う景色に見え、大切な場所になりました。


【スペインタイル作り】
震災後、「色を失くしてしまった街にスペインタイルで彩りを添えたい。」そんな想いから始まったスペインタイル作りを体験しました。
好きな柄を選び、いざ作業開始!もくもくと作業する人、ワーギャー騒ぎながらつくる人、同じことをしているのにほんとうにいろんな人がいるんだなぁと、思わず笑顔に。
絵付けしたものを1000℃近い窯で焼いていただき、先日メンバーの元に完成品が届きました。時間差でくる思い出によって記憶が思い起こされるのも、GRITあるあるですね。


日常の喧騒を離れ、ポジティブなエネルギーが溢れる町で過ごしたからこそ見えたほんとうの自分の気持ち。在りたい自分であるための葛藤。沸々と湧いてきた使命感。
ここで何かを感じ、言葉にした自分と、この場を共有した仲間がいれば、私はがんばれる、そんなあたたかな気持ちに包まれ帰路につきました。
また、GRITの新たな可能性を垣間見た2日間でもありました。宿泊と少人数・いつもとは違う場所ということもあり、参加者同士・運営と参加者の距離がぐっと近くなっていくのを感じました。これからも様々な企画を通じて、皆さんとGRITというコミュニティーを創っていきたいたいと思います。
改めて、ご協力くださった青山さん、高橋さん、たいきさん、女川町の皆様。参加してくださった皆様。本当にありがとうございました。